刻め、歴史。
今学期唯一の試験を終えた僕の足取りは軽かった。
試験というものがどうしてもだるかったため、終わったら歴史を刻むと前日から決めていたからだ。
「歴史を刻む」とは何かというと、名古屋にある二郎系ラーメンを食べること。
店名が「ラーメン荘 歴史を刻め」ということから、ここでラーメンを食べることを「歴史を刻む」と勝手に呼んでいる。

https://ameblo.jp/gadulin/entry-12364896137.html
2月に店舗が移転して店内は綺麗になった一方で、駅からの距離が遠くなった。
「しっかり腹を空かせてから来い」とでも言われているかのようである。
灼熱の街を歩きやっと到着。
券売機に1000円札を飲み込ませ、汁なしのボタンを押す。
店員に麺の量を聞かれた僕は、券売機に貼ってあった「並…300g(一般のラーメン3杯分)」という文字を思い出し、一瞬怯んだ後、覚悟を決めて「並で」と一言。

RX100M3 ƒ/2.8 1/80 秒 22.77 mm ISO 1600
食券購入後は外で待機を強いられた。13時を過ぎてもすぐに座れるほど甘い場所じゃない。
排気口から漂う豚と小麦の匂いだけを希望に、暑さの中じっと耐えた。
少し待った後やっと店内へ。セルフサービスのおしぼりと水を取って席に座り、その時をじっと待つ。
そしてついにくる、この世で一番幸せなお呼び出し。
「3番の方、ニンニク入れますか?」
「ニンニクアブラで。」

RX100M3 ƒ/2.8 1/50 秒 17.06 mm ISO 640
待ちに待ったアイツが到着。
頑丈で太い麺を下から引っ張り出し、かき混ぜ、食べる。
うまい。ニンニクとアブラ、そして黒胡椒が口の中に強烈なインパクトを与え、塩分を失った身体に染み渡る。
一味をかけ、脂をかけ、味を変えながら呼吸する間も無いほどとにかく口の中に入れ、無事300グラムの麺を腹に収めた。
そして感じる、他のラーメンでは感じることのない、腹の中にダンベルでも入れたかの様にどっしりとした満腹感。
近い内にまた刻むことを誓い、店を後にした。
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